ぽぽすこです。
学生の頃はさ、身長伸びただの体重増えただので一喜一憂するじゃない?
社会人になるとさ、もうそういうのないじゃん。淡々とおじ様おば様に混じってレントゲン撮ったり採血したりじゃん。
小中高は学校に医者が来て、クラスまとめて~で受けたり、体育の時間使ったりして受けたり。大学のときも、医者が来て『学部毎に、この時間に来てください』って感じで。
なんて言うか、ホーム感があったし何より周りに一緒に友人たちがいたワケね。
社会人の健康診断は違うじゃん。
会社「行け」
病院「来い」
俺「はい……」
じゃん。滅茶苦茶アウェー。
おじいちゃんおばあちゃんと身長体重で盛り上がるワケにもいかないしね。
皆さんそれどころじゃないからね、ほんと。
健康診断の尿検査する度に思い出すのよね。
俺史上最もアツかった、高1の夏を――(セミの鳴き声がフェードイン)
~回想スタート~
始まりはいつも突然に
夏真っ盛りの7月の2週目。朝読書の時間、俺は『灼眼のシャナ』を読んでいた。
中学よりはマシになったとは言え、まだまだオタクだったからね。しょうがないね。
高校デビューの1つでもしてれば彼女の一人でもできたかもしれないのにね。
はぁ??
うるせーな今それ関係ねーだろ!!死ね!!
不意に担任の先生が俺の肩を叩いて小声でこう言った。
「ちょっと、いい?」
朝読書の時間に呼び出されるって相当だぞ。実質死へのカウントダウンみたいなもんだったとこある。
ついこの前ベランダでタバコ吸ってた奴がこの時間に呼び出されてたぞ。
そして退学になったぞ。
周りの皆も「ウソでしょ?またこのクラスで何かやらかした奴が……とんでもねえクラスに入ったな……え、しかもよりにもよってお前?」みたいな雰囲気だった。
俺は促されるまま廊下に出る。
『あれれ~~~~?おかしいぞ~~~?俺、何かしたっけ??』
頭の中はもうパニックでコナン君になってた。だってタバコ吸った覚えも原チャパクった覚えも定期テストでカンニングした覚えもねーもん。
ただただ教室の隅でラノベ読んでた陰キャなんですけど?何言わすの?助けて、蘭ねーちゃん。
引き戸を静かに閉めると、一呼吸おいて先生は口を開いた。
先生「尿検査引っかかったから再検査お願い」
いや、先生めっちゃ深刻そうに言うじゃん。俺の身体めっちゃ心配してくれるじゃん。
ていうか尿検査か~。なんだよ~ビビらせんなよマジで~。
俺「あっ、マジっすか」
学校のトイレで急いでやったから何かちょっとヤバいやつでも検出されたんだろうな。次はちゃんと家でやろう。
そのときの俺はそんな軽い気持ちだった。
2回目も引っかかった
マージか。
先生も「マージか」って顔してた。
今度はちゃんと家で採ったし、何なら前日ビタミンC控えてたし
コンディション万全だったのに。
まーた引っかかった。
まあちょっと察してたけどさ。先生が少し気まずそうな顔で
「……今、いい?」みたいな顔してたから
告白されるか、尿検査引っかかったかの二択だとは思ってたけどさ。
先生「ん~……はい。じゃあ今度は病院で検査してきて」
先生「だからね。病院」
病院?おいおいおいおいなんだかスケールのでかい話になってきた。
物々しく封筒に入ってた手紙には『学校でやる検査じゃこれ以上詳しく調べられないからお医者さん行ってね♡』的な内容が書かれていた。
俺「了解っす。気が向いたら行きます」
この時の俺もまだ『引っかかったの所詮おしっこだし』と、謎におしっこを軽視していた。
全然関係のないところで体調を崩す
家に帰って事の経緯を話すと、親には爆笑され、弟にも爆笑された。
考えてみれば『自分の息子さん(お兄さん)のおしっこに異常があって2回尿検査に引っかかりました』
っていきなり聞かされたらちょっと笑ってしまうかもしれない。
親が離婚するかしないかで揉めててギスギスしてた家庭にほんの少しの笑顔が訪れた。
当時の俺もまさか自分のおしっこが家庭の潤滑油になるとは思わなかったよ。
結局俺が大学上がる頃に離婚すんだけどな。
なんだよ、返せよ潤滑油。
とりあえず、来週病院行くかってことになった。
んだけど
翌週、2回連続で引っかかったのが相当ショックだったのか、胃腸炎になった。
こんなところで寝てる場合じゃねーーっつの!!
さっさと検査終わらせて夏休み謳歌すんの!!
思い返してみれば、この胃腸炎が一番しんどかったかもしれない。
何も食ってないのに治まらない吐き気。何も食ってないのに出る下痢。
39度に達しようかというほどの高熱。朦朧とする意識。
ぽぽすこ君の今後の高校生活やいかに……coming soon.
まさかの続く。
↓続き↓