ぽぽすこ行進曲

精神年齢は高校生くらいで止まってます

尿検査の再提出に遅刻したら死ぬほど回り道させられた話

長編感動スペクタクル尿検査物語前編はこちら↓

 

poposuko.hatenablog.com

 

この前の尿検査の話したときに『大学のとき1回てんやわんやあった』って言ってたでしょ。

 

今日はそれを話そうと思って。

 

 

その日はそう、春一番が吹いていた――

 

 

 

起床

 

目覚まし時計がうるさく鳴り響いている。

 

スヌーズを切るために手を伸ばすことすらも億劫で無視を決め込んでいたが、さすがに鬱陶しくなってきた。

 

目覚ましにイライラをぶつけるかのように強めに叩いて止めた。

 

窓から差し込む日差しに目を細めながら時間を確認する。

 

11時。

 

俺「え”っ」

 

遅刻

 

いやーもう本当に焦ったね。

 

尿検査再提出の時間は9時~11時

 

アホの俺は提出締め切りの時間に目覚ましをかけていたのだった。

 

トースターに食パンをブチ込み、急いで服を着て、流れるように検尿を済ませた。この間わずか2分

 

もしオリンピックで検尿が種目に選ばれてたら、日本代表は間違いなく俺。

 

日の丸背負って検尿しますわ。

 

高校の頃に散々尿検査やった身としてはもう屁のカッパ。ちょちょいのちょい。

 

ノールックでもできる。

 

……

 

…………

 

ごめん、それは言い過ぎた。さすがの俺も見ないとちょっと怖い。

 

玄関で靴を履いていると、トーストがこんがり焼けて良い色になって飛び出した。

 

遅刻してるのに朝飯は食うのかって?

 

朝飯食べないと体に悪いし、太る原因にもなるんだよ?

 

ていうか既に大遅刻かましてるのに今更2~3分遅れたところでな(本音)

 

適当にジャムを塗ってトーストを咥え、女子高生とぶつかれることを今日も願いながら玄関を出る。

 

ちなみに大学4年間で1度も女子高生とぶつかることはなかった。ファック。

 

 ぶつかった子が同じクラスに転校してくる子だった、なんてこともなかった。ファック。

 

実際ぶつかったとしても、ヒョロガリなので普通に尻もちをつくと思う。そんでめっちゃ痛がると思う。情けない。

 

 なんてことを考えているとバスが来た。

 

財布を忘れた

 

座席に座ったときに直感で気付いた。カバンがやけに軽い。

 

財布入ってたらこんなに軽くないぞ、と。財布を入れ忘れちゃったぞ、と。

 

大学行くついでに寮住みの子とお昼でも食べようと思ってた俺の計画がパーになった瞬間だった。

 

つまり今回は、尿検査再提出のためだけに学校に行く

 

もうこれ字面だけでアホ丸出しなのが分かるし下らない俺の登校理由トップ3に入ると思う。

 

1位は断トツで、ゼミの先生に卒論まだ出せませんって頭下げるため

 

メール使えよな。

 

いざ再提出へ

 

小走りで受け付けに行くと、まだ人がいたので急いで持っていった。

 

多分このときの俺は意味もなくドヤ顔だった。

 

デュエマで当時俺の切り札だったビギニング・ロマノフ出したときの顔だった。

 

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メテオバーンでお前の手札3枚を山札の下に好きな順番で置いちゃうぞ~~。

 

受付「学生証も一緒に提示お願いします」

 

俺「アッはい」 

 

学生証は財布に入れてたのでカバンから財布を取り出そうとする。

 

あっそうだ。

 

俺「財布忘れた」

 

受付「では仮学生証発行してきてください」

 

俺「分かりました」

 

このときの俺はまだ理解していなかったのだ。仮学生証の発行に何が必要なのかを……。

 

金だ。金がいる。

 

仮学生証を発行する機械の目の前で俺は絶望していた。

 

無慈悲にも画面に映し出されたのは

 

『500円を投入してください』の文字。

 

 

バカか??財布ねえっつってんでしょお!!??頭固いなおい!!

 

なんてことを思いながら画面の右下にあったキャンセルボタンをグーパンでタッチしてやった。

 

硬かった。

 

俺はとりあえず寮に住んでる友人に片っ端から電話をかけた。

 

友人A「どうした?」

俺「お金貸して」

A「ブツッ…ツーツー」

 

B「珍しいじゃん電話なんて」

俺「それな。んなことよりお金貸して」

B「今池袋なんだけど」

俺「ブツッ……ツーツー」

 

C「なに?今彼女の家だから手みじk」

俺「ブツッ……ツーツー」

 

どいつもこいつもよぉ(最低)。

 

俺は静かに涙を流した。神を、そして11時に鳴った目覚ましを恨んだ。

 

俺「……いや、まだだ。まだ終わっちゃいない……!」

 

だがそれでも俺は諦めることはしなかった。

 

そう、形勢逆転の一手を思いついたのだ。

 

自分のサークルの役職を思い出した

 

俺はサークルで会計をやっていたのだ。

 

 

そうだ、サークル費用からお金を借りればいいんだ(横領)

 

 

サークル費用はサークル部屋に置いてある。幸いセキュリティの「セ」の字もない。

 

そうと決まれば早速、学生支援課に行き、部室の鍵を借りに行くことにした。

 

 

支援課「学生証の提示を」

 

 

 

 

 

あのさあ!!!!!!!!!!俺持ってねえの!!!!

 

今俺は、尿検査出すために必要な学生証を発行するのに必要な500円をゲットするために必要な部室の鍵を取りに来てんの!!

 

俺「すぐ返すんで急ぎなんでこれ出せないとマジで、マジで……!!!」

 

俺の鬼気迫る表情を見て何かを察したか、支援課の人は学生証が無いにも関わらず鍵を貸してくれた。

 

この日に提出できなかった人は後日、個人で病院に行かなければいけないのだ。

 

そして俺はサークル室に、物語はクライマックスへ

 

 鍵を開けてすぐさまサークル費用のケースを探した。金目のものを求めて空き巣に入る泥棒の気分が味わえた。

 

どうして俺はこんなことをしているんだろう、目覚ましの時間を間違えたりしなければこんな事にはならなかったのに

 

そんなことを考える理性はもう俺にはなかった。ただ500円を求めるモンスターと化していた。

ほとなくしてケースを見つけ、無事サークル費用から500円を拝借した。一応サークルのグループLINEに

 

「500円お借りします」

 

と書いておいた。俺ってばめっちゃ律儀。

 

間を置かずに飛んできた

 

「横領」

「泥棒」

「ろくでなし」

「通報した」

 

などの罵詈雑言は全て

 

「会計は俺だ」

 

の一言で一蹴した。

なぜなら会計は俺だからだ(暴論)。

 

 

そして再度仮学生証を発行するマシーンの前に立つ。俺は立ちはだかる、何度でもな。

 

500円を投入し、今度は発行ボタンの方をグーパンでタッチした。

 

バキッと音がしたが、果たしてそれは液晶か、俺の指か。

 

マシーンは俺の渾身の必殺陰キャ右ストレートに観念したのか、ピーガガガッという音を立てて仮学生証を吐き出した。

 

その時だけは、その紙切れが野口英世よりも価値があるものに見えた

 

俺はダッシュで受付に向かって仮学生証をテーブルに叩きつけた。

 

俺「これで…………どうっすか…………!」

 

俺は息を切らしながら受付のババアを睨みつける。

 

受付「はーい。お調べしますので少々お待ちくださーい」

 

通った……!その喜びはヴァイスシュヴァルツで4,5点の大ダメージがクライマックスキャンセルされずに通ったときの喜びに似ていた(誰にも伝わらない)

 

なんにせよ、これで再検査できた。わざわざ病院まで行って再検査を受けなくて済むのだ。

 

 

 

 

 

 

 

受付「蛋白プラスですねー!!」

 

 

 

 

 

 

後日病院行くハメになった。