こんにゃくパークに行って玉こんにゃくを食べてるとき、ふと思い出した話があったので書いていこうと思う。
6人で玉こんにゃく7キロ食べようとした話だ。
季節は大学3年の秋
俺の入ってたサークルは大学の文化祭で毎年玉こんにゃくを販売してた。
例外で2年目は迷走してカレーうどんを販売したんだけど、鍋の後片付けで死ぬほど地獄を見た。
開催日は10月末、山奥の大学、だから水が死ぬほど冷たい。
おかげで鍋底の焦げが取れなかった。
もう二度とやりたくない。
余談:出店のマスコットキャラクター
そんなワケでサークルで玉こんにゃくを販売してた。
やる気に満ち溢れすぎてマスコットキャラクターまで作ったほどだ。
玉こんにゃ君だ。
作画俺、命名俺だ。当時は『キモ可愛い』がブームだとポップティーンに掲載されてた。(適当)
だからそれに乗っかってキモかわいいマスコットキャラクターを書いておけば集客効果ウハウハだろ!という俺の安直な発想で産み出された悲しきモンスターだ。
もちろん出店の看板にもこいつを書いたし、出店紹介のパンフレットにもこいつを載せた。狂気の沙汰だ。
今だから言うけど、これを見て「おっ、ここのお店行ってみようか」なんて気持ちになるワケない。
どっちかと言えば「うわ、なんだここ。行くのやめとこ……」ってなるのが多いと思う。
でも大学でちょっと話題になってた。(なってない)
あとはグッズ化の話も来てた。(来てない)
玉こんにゃく、余る
味付きのやつ買うより、味無いやつとめんつゆ買った方がコスパいいよねってことで、味付きじゃない玉こんにゃくを3箱(30キロ分)買った。
1日目は順調に売れてて
「明日もこの調子なら余裕で売り切れるね」
なんて話をしてたら2日目は風がめちゃくちゃ強くなって中々人が来なかった。
これだから山奥はイヤなんだよ。
結果、7袋(7キロ分)余った。
欲しい人で山分けでもすればいいか、なんて話が出たが
せっかくなので友だちの家で飲み会やるついでに食べ切るかという流れになった。
そしてこの日、俺たちはこんにゃくの恐ろしさを知ることになる。
第1回 玉こんにゃく7袋、食べきるまで帰れません 開催
そんな会に集まった猛者は7人。
1人当たりのノルマは単純計算で1人1キロの計算になる。頑張ればいけるのでは?なんて当時は思ってたけど、よくよく考えてみたらお肉ですら300gも食べればお腹いっぱいになるのに、その3倍強の量のこんにゃくを食べるのはどう考えても無茶な話だ。
そして早速問題が発生した。
「私、こんにゃく苦手で食べられないんですぅ」
そう言ったのは2個下の後輩ちゃんだ。
君はさ、何をしに来たの?(辛辣)
出鼻は挫かれたけども、序盤は好調だった。
「やっぱおいしいね」
「これならいけるのでは?」
「もっと持ってこいよぉ」
かなり頼もしかった。このメンバーだったら食べ切れる。そう確信した。
だけど、2袋目の終盤に差し掛かろうとしたあたりで悲劇が起こった。
「……」
「……」
「……」
訪れる飽き。変わらない食感、変わらない味。
いや、むしろ煮る時間が少なくなってきて味が薄くなってきてるまであった。
味が薄くなって、こんにゃくの素材そのものの味を感じるまでになった。
無理だ。独特の風味が。無理だ。この一瞬だけはこんにゃくめっちゃ嫌いになりそうだった。
多分全員が同じ意見だった。俺はいつも以上に目が死んでたし、他のメンバーも若干目が死に始めていた。
味変作戦
「味を変えよう」
1人がカバンから豚バラ肉を取り出してきた。豚バラで少しでも味と食感にアクセントを加える作戦のようだった。
こうなることを見越してたのか、それとも家にあったから持ってきただけなのか。何はともあれ、救いの手には変わりない。
「肉アリだな!」
「優秀過ぎない?」
「盛り上がってきた」
目は死んでるけど心は死んじゃいない。まだ戦える。
そう思ったけど上手くはいかなかった。豚バラ肉を入れた結果どうなったか。
こんにゃくに飽きた全員が豚バラ肉だけを食べた。
いい加減にしてくれ、ふざけてる場合じゃねーんだ。
玉こんにゃくも一緒に食べなきゃダメだろうが!??(俺も肉だけ食べてた)
そして4袋目の途中で、家主の気がついに狂った。
家主「白玉と同じ形してるし、きな粉とな黒蜜とかかけたら美味しいんじゃない?」
うーん、バカ!?
と、内心思ってたけど少しでも味を変えたかった俺は恐る恐る黒蜜ときなこをかけた。(チャレンジャー)
俺「……うまい」
言うまでもないけど、同じ味ばかり続いて味覚がマヒして美味しいと感じてるだけだ。
でもこの時の俺は頭もマヒしてたから、黒蜜きな粉こんにゃくという新たなスイーツの可能性を大いに感じていた。
調子に乗った家主「チョコソースもあるよ!」
こんにゃくスイーツに可能性を感じてる俺「やるやる!!!」
俺「ヴッッッッ!」
こんにゃくとチョコの組み合わせは最悪だ。絶対にやってはいけない。
そんなこんなで第1回 こんにゃく7袋食べきるまで帰れません、結局3袋余った。
そして第2回は未だ開催されていないし、される予定もない。