俺の実家のトイレにはウォシュレットが付いている。
みずでっぽうくらいの強さから
ハイドロカノンくらいの強さまで
8段階の強弱調整が出来るやつだ。
趣味嗜好が人それぞれなようにウォシュレットの強弱の好みもまた人それぞれにある。
全人類が同じ強さでウォシュレットを使っていたらそれはメチャクチャ怖いことだ。
全ての男がおっぱいを好きだと言うようなもん……あれ、何もおかしくねえな。例えが悪かった。
閑話休題。
俺はちょうど中間くらいの『4』で使っていた。
強けりゃいいってもんじゃないんだ、ウォシュレットって言うのは。
そもそもウォシュレットというのはお尻拭く回数を、トイレットペーパーの消費量を減らすためのもの。
あくまでサブウェポン的な立ち位置のものであって、クソを全て洗い流すまで当て続けるというメインウェポン的な使い方をするものではない。そんなの水道代の無駄だ。
というポリシーのもと、そこまで水圧の強くない『4』を愛用していた。
対する弟は『6』で使っていた。おそらく弟の認識としては『ウォシュレットはメインウェポン』、だろう。
まあ人それぞれだからね。
あ?弟より弱い威力で恥ずかしくないのかって?
たかがウォシュレットの強弱で上下関係を決めるそっちの方が恥ずかしいだろ。
そんな尻穴より小さい競争心なんて捨てちまえ。
大トリ、お父様はもちろんフルパワーで使っていた。さすが一家の大黒柱。ウォシュレットでも格の違いを見せつけてくれる。(謎のヨイショ)
我が家では、一家の大黒柱である父の手を煩わせることのないよう『ウォシュレットの威力を下げた場合は最大まで戻す』のが暗黙の了解となっていた。
お父様が稼いだお金のおかげでこの温水ウォシュレットが使えてるわけだからね。実質諭吉でケツ洗ってるようなもんだ。
お父様がいなかったら温水なんて出てこないし、そもそもウォシュレットすら設置されなかったかもしれないんだから、お父様に対するリスペクトは忘れてはいけない。
でも家に帰ってきた直後とか、漏れそうで焦ってトイレに入ることが多いじゃん。
出し終わって安心しきってウォシュレットやるとさ
たまに強弱調整するの忘れるんだよね。
弱→強に持っていくのはさ、別に何も問題ないじゃん。
「弱いな…」っつって上げりゃいいんだから。
強→弱に持ってくときはさ、少なからずダメージ受けるんだよね。
弟の後ならまだ「強いなぁもう!!」で済むんだけど
父様の後だと「ア"ア"ア"ア"!!!!!!」ってなる。
普段使ってるときの倍の強さだからね。
それだけでも辛いし、大体調整忘れてるときって安心して気が抜けててケツも脱力してるワケ。
そこに接射されるフルパワーのウォシュレット。
俺「割れる割れる割れる割れる!!!!ケ"ツ"が割"れ"る"っ"て"!!!」
この瞬間ばかりは父とTOTOを恨まずにはいられなかった。