まずはこっち↓
狭い部屋に2人、何も起こらなはずがな…え？マジで何も起こらないの？
カラオケから帰って、お風呂に入って、研修先で買ったお土産をつまみながら話してると時刻は3時。
さすがにそろそろ寝るかという流れになった。
しかしながら我が家はシングルのベッドが1つのみ。
もう一度言う。シングルのベッドが1つのみ。
俺は一緒に寝るのはやぶさかではない、いや、正直言ってむしろウェルカムまであったけど、Yちゃんはどうなんだろうって思って聞いてみることにした。
ともあれ部屋には2人、ベッドは1つ。導き出される解答は1つしかないだろう。
「ねえ、ベッド1つしかな「雑魚寝で」
ということでYちゃんは雑魚寝に決まった。
俺は初めて自分の部屋がそれなりに広いことを憎んだ。こんなことなら雑魚寝するスペースがないくらいの、それこそ四畳半に住んでおくんだった。
お互いの寝る場所が決まったところで電気を消して、ふと俺は考えた。この状況はどうなんだ、と。
たまにあるじゃん。『2人で泊まったのに何もされなかった。私って魅力ないのかな。自信なくした、ショック。幻滅したわ。このチキン野郎』みたいな話。あるじゃん。
もしかしたら押せばイケるのでは！？とも思ったんだけど、実際に押したことがあるのはエレベーターのボタンくらいだし
Yちゃんにその気があるなら食い気味で「雑魚寝で」とか言わないと思うし
でも身体を許したら好きになるって話をテレビか何かで見た気がするし
あれっ、そもそも別れて次の日から県外で研修で数泊して、帰ってきてすぐ俺と合流して今に至ってるから、ゆっくり気持ちの整理とか出来てないワケで。
そのメンタルの状態の子を襲うのって人としてどうなのよ、って最終的には思ったわけ。(何とか理性を保つ)
そんじょそこらの股間に脳みそが付いてるような男とは違うんだわやっぱ！！！
Mr.理性って呼んでくれよな。(クソダサい)
まあこのときの俺、股間をいつもの10倍くらい念入りに洗ってたけどね。
だって万が一ってあるじゃん。(言い訳)
その日は結局電気を消してからもYちゃんの元カレ話が止まらず、多分4時くらいに俺が眠気に負けて先に就寝。
意識が飛ぶ前に考えてたのは「告白ってどのタイミングですんだろ」ってことだった。
翌朝は何事もなく解散した。
普通にデート
Yちゃんの誕生日を祝った翌週。
サンシャイン水族館がホラーテイストになってる、とのことだったのでそこに行こうという話になった。
これだ、七人ミサキ。
こえーよ
ただこのホラー水族館は夜からだったのでお昼くらいから集合して適当に時間潰そうってことになった。
正直俺はちょっと緊張してた。夜な夜な踊りに行くことはあっても、普通に遊ぶのなんて何だかんだ言って初めてだったから。
この日も一応股間を念入りに洗って俺は家を飛び出した。
おかげでちょっと遅刻した。(最低)
昼飯を食べたあと、Yちゃんは猫が好きって言ってたから猫カフェに行こうかなって思っていくつかピックアップしてた。俺自身行ったことがないから行ってみたかったってのもあったし、っていう話をすると
Yちゃん「私も猫カフェ提案しようと思ってた」
と言われた。
え、メッチャ気が合うじゃん。(錯覚)
猫カフェに行くとYちゃんは「ここ触ると嫌がるんだよ〜〜」
と言って、猫が触られると嫌がるポイントを嬉々として教えてくれた。
いや、喜ぶポイント教えてよ。
ただただ猫がどんどん離れていくんだけど。
次に化粧品を見に行った。友だちへのプレゼントという名目で見に来たはずが
「化粧品はなんか違うな」
と早々に切り上げ、自分用の化粧品を見てた。フリーダム。
愛用してるメーカーのクリスマス限定販売品を見つけてしまったらしく、死ぬほど悩んだ末に「ちょっと考えます」と絞り出してお店を後にした。
俺はCLARINS(クラランス)が読めるようになった。
まだ時間に余裕があったので今度はラウワンに行った。モグラ叩きをやったんだけど筐体が壊れてて、モグラがほとんど出てこなかった。ウケてたので良しとする。
あとは太鼓の達人をやった。オタクはゲーセンに行くと格好いいところを見せようと自分の得意な音ゲーで難易度の高い曲をプレイしがちだけど
一般の人は『すごい』『かっこいい』よりも先に『キモい』が来るのでマジでやめた方がいい。たとえフルコン取ろうが関係ない。(経験済)
maimaiとかチュウニズムとかやっても引かれるだけだからこういうときは太鼓の達人がベストなのだ。
なによりもプリキュアの曲が収録されてるのがデカい。
18時頃。洋服も見たいからそろそろサンシャインには行っておくか、という流れになった。
このお店は前は好きだったとか、最近はここで買ってるとか色々教えてくれた。
「ここ可愛いよね」「そうなんだ」とか相槌打っておいて半分くらい聞いてないのが俺の悪いクセだ。
普通の長袖ワンピースと肩の部分がレースで透けてるワンピース、どっちがいいかで悩んでたみたいで
Yちゃん「着てみるからどっちがいいか選んでよ」
と言われたので俺はもちろん
「任せて？？」
と即答した。
俺は肩のレースの透け具合がエッチかわいいってことでそっちのワンピースを選んだ。
時計を見ると18時50分。
俺たちは19時までに水族館に入らなければいけなかったので割と急ぎめで水族館へと足を運ぶのであった。
(続く)
