ぽぽすこ行進曲

精神年齢は高校生くらいで止まってます

彼女との馴れ初めを書いていく その3

ただただデートの描写が続いたその2↓ 

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おっぱい、当たってます

 

入場する前の俺は水族館にほんのちょっとお化け屋敷要素がプラスされてる、くらいに予想してた。

 

水槽に血まみれのマネキン浮いてるとか、適当に音でビビらせてきたりだとか。

 

ていうかもうね、そんなことよりもスケベ心しか無かった。あわよくば「キャッ怖ーい」(ギュッ)みたいな展開ないかなとか思ってた。

 

むしろこっちから「キャッ怖ーい」(ギュッ)って行ってやろうかなくらいの気持ちだった。(セクハラ)

 

30分ごとに入場が区切られてて、俺たちは18時30分〜19時までの回だったんだけど、55分くらいに入場した。

 

前半はチェックポイントを回ってストーリーとか背景を聞いていって、後半はお化け屋敷といった構成だった。

 

受付の話を聞き、入り口に向かうと真っ暗。不気味にポツンと佇む最初のチェックポイント。

 

……ねえ、もう帰らない?今日は充分遊んだよ。ご飯食べて帰ろうぜ。(ビビってる)

 

そしてなにより人の気配がない。

 

そりゃそうだ。俺らの回は18時30分から入場始まってるわけだから残り5分で入って人がいるわけないんだよな。

 
Yちゃん「えっ、待って待って、マジで怖いんだけど」(ギュッ)
 
入場早々、Yちゃんが俺の腕に抱きついてきた。
 
ハイ、来た。
 
ハイ、来た。
 
もうこれ俺、彼氏でいいでしょ。(すぐ彼氏面する)

 

とはいえ、そのときの俺は怖すぎてそれどころではなかった。

 

口では「Yちゃんめっちゃビビるじゃ〜ん笑」

 

とは言いながらも、内心「(思ってたより100倍暗いしクソ怖い)」

 

とメチャクチャにビビってた。

 

しかし、俺も男だ。女の子がビビってるときに俺までビビってたら更に不安にさせちゃうじゃん。ただでさえ頼りなさそうな面と体型なんだから、せめて表には出さないでいようと誓った。

 

怖いのを少しでも和らげようと何か言おうとするも

 

見て、魚が泳いでるよ

 
などと、クソほど気の利かないことしか言えなかった。
水族館なんだから泳いでるに決まってるんだよな。

 

そんな風にビビり散らしていると、ふと二の腕に当たってる柔らかな感触に気づく。

 

間違いない、これはおっぱいだ。

 

しかも香水の匂いなのか何なのか、メチャクチャいい匂いもしてることにも気が付いた。

 

ドキドキで壊れそうだった。

 

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1000%LOVE

 

もうこちら側としてはお化け屋敷どころではない。

 

ヘッドセットから流れてくるストーリーとか微塵も頭に入ってこなかった。

 

ストーリー聞いてる場合じゃねえよ。だっておっぱい当たってんだもん。

 

ていうか七人ミサキでしょ。知ってるよ、有名じゃん。どうせ俺らが生贄になる流れなんでしょー!!!分かってますよばーか!!!かかってこいやこのタコ!って感じだった。(急に強気)

 

それにまだ、ただ単に暗いってだけだったので目が慣れればそれほど怖くなかった。

 

でもこれは前半、怖いのは後半だった。

 

もうね、後半は完全にお化け屋敷。薄々気づいてたけど魚の方がオマケよ。暗すぎて魚が見えない水槽とかあったもん。水族館とは…?って哲学始めそうになった。なんなんだよ、バカでしょ。

 

いきなりガタガタと音が鳴り出すとかあったし。(想定の範囲内) 

 

Yちゃん&俺「ア"ーーーーーー!!!」

 

マネキンだと思ってたらマネキンじゃなかったし。(予想の斜め上)

 

Yちゃん&俺「ア"ーーーーーーーーー!!!!!」

 

結論を言うと、Yちゃんがビビリ過ぎてガチ泣き。俺も危うく漏らしかけた。

 

直前にトイレに行ってたおかげで、ギリギリ漏らしてはいない。(謎のプライド)

 

水族館の半券で展望台が安くなるとのことだったので展望台にも行ってきた。

 

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ニヤけてる。

 

 

告白

 

晩飯を食べ終えて、帰りの駅へ向かう途中。

 

元カレのことは吹っ切れた?って聞くと「吹っ切れたよ」とYちゃんは答えた。

 

俺の家に泊まった翌日に、気持ちに一応は整理を付け、元カレの家に置いてた荷物も回収する目処が立ったらしい。

 

あれっもしかして今「じゃあ俺と付き合って」って言うベストなタイミングだったかもしんないな!??いや、ダメだな軽い感じ出ちゃうな…。

 

などと考えていると駅に着いてしまった。帰りの電車は別方向。Yちゃんの乗る電車は発車まであと3分くらいだった。

 

Yちゃんは「混んでるから次のに乗る」と言ってくれたのでいい時間になるまで話をした。何の話をしたかは覚えてないけど、笑ってたのは覚えてる。

 

ちょうどいい時間になったので「今度こそ帰ろっか」と言われた。

 

俺は「改札まで見送るよ」と言って付いて行った。入り口から改札まで大した距離なんてないのに。

 

「最寄駅までは見送ってくれないの?笑」

 

と茶化されたので

 

「明日仕事なけりゃ最寄までと言わず、家まで見送ってた」

 

と真顔で返した。

 

もう完全に告白するタイミングを見失ってた。最初は、駅に着いたら言おう、次は改札に着いたら言おう。どんどん先延ばしにしてしまっていた。

 

幸い、また遊ぶ約束は取り付けてある。もう次に会うときでいいんじゃないか。

 

なんて情けないことを考えていると、とうとう改札に着いてしまった。

 

Yちゃん「じゃ、またね」

俺「うぃっす」

 

うぃっす、じゃねえ。

 

良くない、良くないぞ。ここでまた先延ばしにしたら次も絶対言えない気がする。

 

夏休みの宿題と一緒だ。どんどん先延ばしにして、明日やろう明日やろう、って思うのと一緒だ。 一回先延ばしにしたらズルズル先延ばしにするのなんか目に見えてるじゃん。

 

 

 

でももしフラれたら…いや、いける。絶対いける。

 

 

 

恋愛対象外のやつになんかおっぱい当てねーから。(根拠が最低)

 

 

 

俺は改札に行こうとするYちゃんの手を掴んで引きとめた。

 

付き合って、俺と

 

そういえば23年間生きてきて自分からちゃんと告白するのなんて初めてだな、なんて思ったりした。

 

ああでも本当に、余裕無い感じが出まくりだった。声もちょっと震えてた。

 

Yちゃんは、始めは驚いた表情で固まってたが、ちょっと考えた後に笑顔でこう言った。

 

「いいよ、付き合おっか」

 

 

こうして、俺とYちゃんはめでたく付き合うこととなった。

 

―完―

 

 

映画化のオファー、待ってます。