事後。
史上最低の出だし
全裸で寝ていると
スパァン!
スパパパァン!
と、真っ暗な部屋に俺の尻を叩く音が響いた。
突然のバイオレンス。
なになになに、俺悪いことした!?!?!?
全裸で寝てるのがそんなに気に入らなかったですか!?
「理由はないけど不機嫌」
そう言って彼女はまた腕を一振り。
スパァン!
そっかあ。理由はないのかあ。
よかった、全裸で寝ててもいいんだね。
スパァン!
いやいやいやいや。違う。そうじゃない。
待て、待ってくれ。いや、待ってください。
危ない、マジで危ない。
何が危ないってお尻の近くには金玉があるんだよな。
もし金玉に当たったらそれはそれは大事件だ。
特に理由のない暴力が金玉を襲うことになるんだよな。
俺「あのね、金玉に対する配慮が全く足りてない」
金玉を攻撃されかけた恐怖からか、もしかしたら賢者モードに入ってしまってたのか。ちょっと語尾が強くなってしまった。
ていうか金玉に対する配慮って何だよ。
金玉第一主義みたいな?金玉ファースト?
金玉連呼しすぎ
彼女「私の力じゃ当たっても潰れはしないでしょ」
俺の金玉に絶対の信頼を置いてくれてるんだね。ありがとう。
でもそれとこれとは話が違うんだよな。
当たっても潰れないから問題ない、じゃなくて当たること自体に問題があるんだよな。
カビの生えたパン、食べても死にはしないからって食べないでしょ。それと一緒ですよ。
彼女の膝に手を置いて「どうどう」と宥めていた俺(なお全裸)だが
仕方なくそれをやめて金玉を両手でガードすることにした。
彼女「むむむ」
彼女は膝から手が離れたのがどうやら不満らしい、少しうなり始めた。しかし俺の両手は塞がっていてどうしようもない。
俺「金玉を握らなければを金玉を守れない。金玉を握ったままではあなたを抱きしめられない。分かってくれ」
なんかちょっと格好いいセリフ出たな。
まあ全裸で金玉ガードしてるだけなんだけど。
何はともあれ、俺の腕は2本しかない。ごめんな。
聞き覚えあるフレーズだと思ったらブリーチの5巻の巻頭ポエムだった。