皆さん知らないと思うんですけど、新潟で生ま育つと小学生のときに授業の一環で強制的に田植えを体験させられるんですよ。
確か4年生だったか5年生の時かな。学年総出です。100人ちょい。
そもそもの話、小学生とはいえ100人ちょいの人数が同時に田植えできるほどの広さの田んぼを持っていて、かつ田植えをさせてくれる菩薩みたいな農家が果たしているのかって思うじゃん。
菩薩みたいな農家いたのよ。
で、当日。
学校で体操着に着替えて朝から田んぼの前に集合。
俺らのすぐ脇には田植え機があって菩薩農家が「こういう感じで普段でやってます」っていうのを見せてくれた。
こういうやつ
「あぁ、数人ずつこれに乗せてもらいながら『こんな感じだよ~~』ってやるのかなあ」って思ってたら先生が立ち上がった。
先生「さ、皆。それじゃあ手で植えていこう」
俺らは素手!?!??
そうして渋々、泥の中へと入っていった。肌に吸い付くような感じでひんやりとしていた。
菩薩農家「ヒルいるからね」
なんで今言うの?
逃げ場ないじゃん。
否が応でも「ヒルどこにいるかな……」って気になっちゃうじゃん。
せめて入る前に言うか、最後まで言わないかどっちかにしてくれよ。
入る前なら「気持ち悪いけどしゃあねえ」ってある程度覚悟出来るじゃん。
最後まで言われなかったらシンプルに気づかなくて済むじゃん。
大体こういうやつが「罪悪感に駆られて…」とかいう理由で浮気してたことをいきなり暴露したりすんだよな。(偏見)
菩薩農家「悪い血吸ってくれるから大丈夫」
あのな、そういう問題じゃねーんだ。
ヒルが吸ってるのが良い血なのか悪い血なのかが問題なんじゃなくて
ヒルが引っ付いて血を吸ってること自体が問題なんだ。だから全然何にもこれっぽっちも大丈夫じゃねーの。
浮気が遊びか本気かはどうでもよくて、浮気したこと自体が問題なんだっつーの。
何の話してるんだっけ。ああ、田植えか。
結局田植えは途中でお昼挟んで、終わったのは夕方だった。
田植えが終わったら今度は収穫。
田植えの時と同じように体操着に着替えて田んぼの前に集合。
俺たちの横には機械。
こういうやつ
菩薩農家「普段はこういう感じで収穫してます」と実演。
なんか嫌な予感がするな……。
いや、でもさすがに今回は機械でやっていくでしょ。
だって手でやるってなったら鎌使うんだぜ?
流石に刃物は危ないよ。なあ、先生!
先生「それじゃあ皆、手で刈っていくぞ」
はい。
そうして自分で作った米を収穫したら、今度は稲から米を外す作業だ。
もちろん手作業。
千歯こきという農具を使った。
こういうやつ
稲を刃の部分にセッティングしてシュッって引くと米だけがブチブチブチ!って取れる。
ところでこれ何の授業?機械のありがたみを知る授業?
それとも修行?
最後に、そうやってできた米を同時進行で別で作っていた梅干しと一緒におにぎりにして食べることに。
俺は梅干しがあんまり好きじゃないからこっそり塩おむすびを作ろうとしたら先生に見つかって
「クラスメイトと一緒に作ったんだから美味しいよ」
とかいうクソみたいな理由で無理やり梅干しを入れさせられた。
クラスメイトと一緒に作っても結局梅干しは梅干しだった。