これは高校2年生くらいの時の話になる。
俺の実家の目の前には交番がある。
いやいや目の前はさすがに盛り過ぎ、って思うでしょ。
マジの目の前にあるんだよな。
家を出て数歩歩くと一本道路挟んだ先にもう交番がある。
即落ち2コマくらいのスピード感。
まあそのおかげか、登下校時に毎回通るのでそこのお巡りさんとは挨拶をする程度の顔見知りくらいにはなってた。
閑話休題。
高校2年生の頃は夜によく遊びに出ていた。
18時過ぎとかに帰ってきて、晩ご飯を食べて20時くらいにまた家を出て、帰ってくるのは0時近くみたいなことが多かった。
親は「日付変わる前に帰ってくるならいいよ」って感じだったし、親同士の仲が悪くてあんまり家に居たくなかったんだよな。
え?夜な夜な何してたのかって?不順異性交友してたんじゃないかって??
バーカ!!!
してみたかったよバカ!!!!!
高校生のうちに夜な夜なイチャコラしてみたかったよ。
不順異性交友なわけねーだろ。
俺の高校生活を二字熟語で表すなら『純潔』、四字熟語で表すなら『純真無垢』だからな。
キモい
ていうか親もそこらへん『うちの息子がそんなこと出来るわけない』って思ってて外出許してたのかな。
くそ、なんかだんだん腹立ってきたな。
まあ、そう。
別に大したことはしてなくて中学の頃の同級生の家に行って喋ってたりしてた。
この中学の頃の同級生も男だから。
ある日、話が盛り上がって帰る時間が0時を回ってしまった。
でも特に焦ったりとかはなくて「ヤベっ☆」くらいに思ってた。
いつものように颯爽と交番の前を通り過ぎようとして──
お巡りさん「君、ちょっと止まって」
呼び止められた。まさか呼び止められるとは思ってもいなかったのでハチャメチャに焦った。
俺「なっ、ななななななななんでしょう!?」
お巡りさん「その自転車についてるシール、〇〇高校のだよね。君高校生?今何時だと思ってるの」
マズい。これは親に迎えに来させるパターンのやつだ!!!
『この自転車、弟のなんですよ〜〜』とか言うか?
そもそもの話、2駅先の街で見つかった、とかならともかく、家の目の前で見つかってゴタゴタになりそうになってるのダサすぎるでしょ。
ここは嘘をつくよりも、冷静に家が目の前にあることを伝えたほうがいい。
あくまで冷静に。俺はあなたにビビってませんよっていう意味で冷静に。
俺「すいやせん!!家すぐそこなんで!!そこなんで!!!!もうすぐ!!!そこ!!すいやせん!!!」
冷静とは
すると、お巡りさんは俺の顔を見て「あ、なんだ、君か」みたいなことを呟くと
「じゃあ……今回は見逃すけど、次見かけたらアレだからね」
と言って見逃してくれた。
ちょ、ちょれ〜わ〜〜〜〜〜!!!マ、マジでちょれ〜〜〜!!!
(見逃してくださってありがとうございました)