ぽぽすこ行進曲

精神年齢は高校生くらいで止まってます

おじいちゃんへ。喪服買ったから裾の調整が終わるまで死ぬな。

というわけでじいちゃんが虫の息だ。

 

「もうそろそろ死ぬ。歳越せたらエラい」って医者が言ったのが昨年の9月

 

このタイミングで父親から「そろそろ喪服買っとけ」って言われてた。

 

俺は根拠はなかったけど「まだ死なんやろ」と思ってそのタイミングでは買わなかった。

 

案の定、何の問題もなく年を越した。

 

 

でも3月に入って1回体調を崩した。

 

父親から「もうダメかも」と連絡が来た。

 

今回はさすがにヤバいかもと思って、ちょうどそのタイミングで仕事も休みだったし顔を見に行くことにした。

 

俺の顔見たら元気になるかな、とかそんなアホなこと考えてた。

 

でも現実はそんなこと無くて。

 

 

 

 

 

 

俺が行く直前に体調クッッソ良くなった。

 

 

 

 

 

 

久しぶりに会って他愛の無い話をした。

 

じいちゃん「お前ココア好きだったよな。俺が淹れてやるぞ~」

 

ばあちゃん家、基本的に飲み物がお茶、ココア、コーヒーの3択だったから消去法でココア飲んでただけなんだよな。

 

だから別に好きってわけではないんだけど。

 

俺「ありがとう。覚えてるもんだね」

 

わざわざ水を差すほどのことでもないから何も言わなかった。

 

 

じいちゃん「美味い飯屋知ってんだ。連れて行ってやるよ」

 

俺「あそこだよね、行こっか」

 

こういう風に言われると「おっ、知る人ぞ知る地元の定食屋みたいなところなのかな」って思うじゃん。

 

 

 

 

 

 

丸亀製麺なのよ。

 

 

 

 

 

 

なんて言うか、いつものじいちゃんだった。

 

 

 

ほんで、先週の11日くらいかな。父親からラインが来て。

 

「投薬始めたからマジでダメかも。1週間とか、もって10日くらい」

 

って言われた。

 

ああ、そっか。18日とかにはもう…って思って重い腰を上げてようやく喪服を買いにいった。

 

この時にふと思ったけど、喪服を買うことで「ああ、もうすぐ死ぬんだなあ」って実感するのが嫌だったのかもね。

 

店員さん「裾上げに3日ほどかかるのでお渡し19日ですけど、大丈夫ですか」

 

俺「大丈夫です」

 

ん、待てよ。大丈夫か?

 

 

 

 

 

 

本当に大丈夫か!?

 

 

 

 

 

 

余命宣告された日のボーダーライン、1日オーバーしてるけど大丈夫か!?

 

いやでもこれ、大丈夫ですって言うしか選択肢ないよな。

 

ダメですって言ったらどうなるんだろう。

 

目の前で引きちぎられるのかな。

 

店員さん「さようでございますか。では、少々雑にはなりますが」

 

 

 

 

 

 

ブッチィィィィィィィ!!!!!

 

 

 

 

 

 

それとも速攻で目の前でやってくれんのかな。

 

店員さん「ということはお急ぎですね?お任せください!!」

 

 

 

 

 

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!

 

 

 

 

 

 

ないな。どっちも絶対やらんだろ。見たことないもん、店でこんな光景。

 

ああもうなんで俺はこう、いつもアウトギリギリで動き出すんだよ!!

 

もうすぐ死ぬんだなって実感できて嫌なんだと思うとか若干センチメったけど、何かやらなきゃいけないことに手をつけるとき、こんな感じで毎回ギリギリだわ!!!!!クソが!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

だからじいちゃん。せめて俺の喪服の裾上げが終わるまで死なないでくれ。