仕事帰りの電車内。
少しウトウトしていると、ふとある物が目に付いた。
対面のおじさんの靴だ。
俺「でっっっっか!!?!?」
馬鹿デカい靴を履いてた。
びっっっっくりした。
普通、対面のおじさんの履いてる靴なんて1ミッッッッッリも興味ないじゃん。
まだ吊り革の方が興味湧くじゃん?
にもかかわらず目を奪われるほどだったし、なんなら5度見くらいしたし、一気に目が覚めた。
通常の靴のサイズが
これくらい
だとしたら
これくらい
の差があった。いやマジで。
比喩表現じゃなくて。
いや、比喩表現なんだけど。マジで常軌を逸していた。
初めて見るタイプの靴だった。
厚底のスニーカーとも違うし、ブーツでもないし、サイズがバカデカいだけの靴とも少し違う。
生まれてこの方29年、まだ俺の知らない靴の形状があったんだ、ってその時の俺は少し興奮さえしていたかもしれない。
何と言えばいいか……箱を履いてらっしゃる?と問いたくなるような形状をしていた。
イメージとしては鼻セレブが一番近いかもしれない。
素材は合皮で出来ていた。
色味は黒で、高さは厚底。
ただの一度も見たことはなく……いや何これ、カスのアンリミテッドブレイドワークスの詠唱?
閑話休題。
どこかのブランドなのか、何て検索すれば出てくるのか。
自分でどれだけ調べても出てこない。
ああ、今すぐスマホで写真を撮って、囲って検索を使いたい……!
今が絶好の使い時だろコレ。
メチャクチャ使いたい、がそれは最早盗撮……!!!
おじさんがおじさんを盗撮する構図、何?
誰も幸せにならないだろ。
流石におじさんを盗撮して捕まりたくはない。
ああん、でも気になるよぉ!!
そうこうしてるうちに俺の最寄り駅に着いてしまって、泣く泣く電車から降りた。
いったい何だったんだ、アレ。
え、もしかして夢?