ぽぽすこ行進曲

精神年齢は高校生くらいで止まってます

アパート前の自販機が明るくなった。

アパート前に自販機がある。

 

つい先日、その自販機のバックライトが突然点灯するようになった。

 

新しく搭載されたのか、壊れていたのを直したのかは分からない。


周囲に街灯もないし、自販機はアパートの入り口から離れていて、周囲の光源を頼ることもできないので、飲み物を買いたい時は売り切れのランプの明かりだけが頼りだった。


どれくらい暗かったかというと辛うじて缶かペットボトルか、炭酸飲料のボトルか否か、シルエットくらいはどうにか判別できるくらいのレベルだった。


なんで飲み物買いたいだけなのにシルエットクイズさせられなきゃいけないわけ?


緑茶を買おうとしてボトルの形状だけを頼りに勘でボタンを押したらスポドリが出てきたときはマジで頭抱えた。


千利休を見たかったのにウサイン・ボルトが出てきたときの気持ち、分かる?

 

分かんねえか。

 

買うまで何が出てくるか分からない自販機、ああいうのは道端で見つけると面白いのであって、家の前にあっても1ミリも面白くないことに気づかされた。


何はともあれ。

 

これからは夜間でも不自由なく飲み物を買えるようになったわけだ。


嬉しいはずなんだけど、でも何だろう、この気持ち。


嬉しいはずなのに、なんだか少し寂しい気分になった。


メチャクチャバチボコに尖ってた友人が、嘘みたいに丸くなっちゃったような、そんなエモーショナルな気分になってきたかもしれん。

 

あの日のお前はどこに行っちゃったんだよ。

 

なあ、お前、言ってたよな。

 

飲み物を買う過程も楽しんでもらいたい、って。

 

だから暗いままなんだって。

 

それが今は何だ?周りと同じようにバックライトなんか付けちゃって。

 

今のお前、格好悪いよ!!!!!!!

 

昔のお前の方が断然格好良かったよ!!!!!!なあ!!!おい、聞いてるのかよ!!!!

 

はあ……はあ……。

 

何言ってんだ俺。お茶買ってこよ。