おじいちゃんの葬式が終わった帰り際。
おばあちゃん「再来月の3日がおじいちゃんの四十九日だからね」
俺「分かった」
おばあちゃんと短いやり取りをして俺は地元から埼玉へと帰る新幹線に乗った。
帰りの新幹線で父親からラインが来た。
おとん「四十九日、再来月の3日だからね」
俺「分かった」
次いで、弟からもラインが来た。
弟「四十九日、再来月の3日だってよ」
あああああああああああああああもううるっっせええええええええ!!!!!!
何なんだよリマインドの鬼かよ。朝のスヌーズみてーな頻度だな。
それとも何か?数歩歩いたら忘れる鶏だと思われてる?
もう大丈夫です。忘れません。
メモりました!ハイもう大丈夫!
スマホ開いたらすぐ目に入る!絶ッッッ対大丈夫!
これでもし忘れたら一族総出で俺のことブン殴っていいよ。
そんなこんながありながら、日にちはどんどん過ぎ、気付けば四十九日の前日になっていた。
そんな折、弟からLINEが来た。
弟「四十九日、3日じゃないらしい」
はァ?
お前さ、弟でもついていい嘘と悪い嘘があるぞ!?!???
適当こいてると尻穴に線香突き刺してナマンダブするぞ。
弟「本当は10日なんだって。シンプルに親が計算ミスってたらしい」
いや、待て待て。待ってくれって。そんなことある?
貴方、親、いくつだと思ってるの?50超えてんのよ?
こんな単純な計算をミスることある!??
自分の伝達ミス、親のせいにしようとしてません!?!???
弟「俺も又聞きなんだがァ!?」
何ちょっとキレてんだよ。
じゃあ俺、何しに帰んのよ!?!?
これじゃただ実家に帰省する孫じゃん。
でもふと冷静になって考えた。
自分の大切な人が死んだ直後にまともに計算ができるだろうか。
答えはノーだ。
俺も、もし仮に奥さんが死んで葬式やった直後に「23×2は?」って簡単な計算問題出されたら「キムチ」って誤答する自信がある。
そうだよね。冷静に考えて頭回るワケないよな。
まあいいわ。もう前日に迫ってたことだし。
新幹線のチケット払い戻しするのもダルいし、10日は普通に仕事になってたし。
線香バチボコ焚いて帰りました。