テレビを見てたら
「今日はセンター試験です」
ってニュースが流れてて、懐かしい響きだなと思った。
イントロ
俺の通ってた高校は2年生になるといくつかのコースに分かれてた。
・運動頑張るコース
・就職するよってコース
・文系のコース
・文系に特化したちょっと頭のいいコース
・理系コース
・国公立目指すコース
今は確かちょっと変わってるらしいんだけど、俺がいたときはこの6コースに分かれてた。
俺は文系に特化したちょっと頭のいいコースに行った。
ちょっと頭いいコースって言っても、コースの説明会みたいなのにちゃんと行って志望した理由を書けば誰でも行けてた気がする。
そのコースを選んだ理由も別に「この大学に行きたいから」とかそういうのはなくて。
単純に幼馴染に
「大学見学会みたいなので東京行けるらしいよ」
って言われて
俺「マジ?そのコース行くわ」
ってなったからで。あとは理系科目が死ぬほど嫌いだったから。
こんな感じで志望したもんだったし、コースの志望理由には「理系科目が苦手だから」って書いてはいけなかったからメチャクチャ苦労した。すげー適当なこと書いてた気がする。自分を豊かにしたい、みたいな。
豊かになったかは分からないけど、間違いなく友人には恵まれた。
俺、センター試験に対する意識、ゴミ
このコースは全員センター試験を受けるっていう話だった。
先生は「センター試験は本番の大学入試前の練習みたいな感じです」
って言ってたもんだから俺は「なーんだ練習かぁ」って気軽な気持ちでいた。
そのあと「要は力試しですね」っていう先生の言葉は完全に聞こえてなかった。
はーいもう聞こえませーん。先生さっき練習って言ってましたー。
練習を本番同然でやらないやつが本番で100%出せるわけがないって誰かが言ってたけど、いやもう本当にその通りで、この後、志望してた大学には全落ちして適当にセンター試験利用で受かった大学に行くことになる。(漂う行き当たりバッタリ感)
センター試験前日の夜
勉強してるとスカイプで通話がかかってきた。(おかしい)
出た。(おかしい)
相手はIくんだった。そう、俺のパンツを破った張本人だ。
Iくん「勉強してる?してないよね??」(紙をめくる音がしてたのでおそらく勉強してる)
俺「もちろん、してないしてない」(してる)
テスト前のIくんは大体いつもこうだった。俺の中ではもう恒例行事となっていた。
Iくん「センター試験諦めたよな??」(相変わらず参考書をめくる音)
俺「さっき受験票でケツ拭いてトイレに流してきた」
Iくん「あっ!危ねえ!受験票忘れるとこだった!」
俺「おい、今のシンプルに俺に感謝しろよ」
みたいなやり取りをして寝た。茶番かよ。
Iくんとのエピソードはこれだけに留まらず、『修学旅行中、他人のデジカメで俺のシャワーシーンを撮影しまくってデジカメの充電を使い切った』というエピソードなんかもあるので楽しみにしててほしい。
センター試験、当日
緊張して眠れなかったとか、お腹の調子が悪くなったとかそういうのは一切無く。
いつもと変わらない調子で家を出た。しかしこのタイミングですでに俺はファスナー全開なのであった。
やっぱり内心は緊張していたのかもしれない。
駅にはセンター試験に向かうであろう学生たちも何グループかあった。
周りの人らは友だちと合流しても「おはよう」ってだけ言い合って、あとは参考書とか開いて勉強してるって人が多かったのに、俺らは
「ウェーイ!おはよう!!」
「おっすおっす」
ってそのまま雑談を始める始末。移動中参考書とか開いてる人は俺らの中では一人もいなかった。
会場に着いたら着いたで俺は腕時計を忘れてることに気づいた。
前の席には友人のあべしぃがいたので彼に「腕時計、俺も見える位置に置いてくんない?」と頼み込んだ。
ちなみにこのあだ名、シュタインズゲートのまゆしぃから取ってきてるんだけど
見た目は全然似てない。完全に語感だけ。まゆしぃを想像してあべしぃに会いに行くと間違いなく失神する。
閑話休題。
それに対しあべしぃは「ハァ?やだよめんどくせえ」とピシャリ。
「チョコあげるから」と言うと無言で俺の見える位置に置いてくれた。あべしぃには食べ物をあげると大体のことは解決する。
試験後の時間とかお昼休憩とか周りすげー「ここに命賭けてます」みたいにピリピリしてる人多かったけど
俺らは
「あれ分かった?なんだっけ!?」
「アレじゃね?」
「そっちかー!!」
みたいに盛り上がってた気がする。
普段のテストかよ。
でも考えてみたら国公立受ける人もいるんだからそりゃピリつきもするわな。
こうして試験も1日目が終わり、帰る前にトイレに行こうとして、ここでようやく終始ファスナー全開だったことに気づいた俺であった。