ぽぽすこ行進曲

精神年齢は高校生くらいで止まってます

初めての渋谷で真っ青のジャケット買わされた

従弟と渋谷に遊びに行ったときの出来事だ。

俺の従弟は割とやんちゃ系だ。

従弟じゃなかったら多分一切関わることはないだろうってレベルの。

ヒゲとか生やしたらEXILEに所属してそう。(褒めてる)

原チャパクってるし、高校1年のとき煙草吸ってたし、その2つが発覚して高校を中退してるし、車も2度横転させてる

無茶な運転をして横転したらしいけど。何て言うか良く生きてたな。

何はともあれ、灼眼のシャナデート・ア・ライブを朝の読書の時間に読んでた俺とは真反対の高校生活を送っていたことは火を見るより明らかだ。

そして彼は都会に結構な憧れを持ってた。

EXILE系、都会に憧れがある、導き出される答えは一つだろう。

従弟「渋谷行ってみたい。そんで服買いたい」

彼のキラキラとした瞳を今でも覚えている。

お前さん、充分オシャレだよ。そんなダメージジーンズ、新潟のどこで売ってるんだよ。初めて見たよ。

なに、もしかしてイオンにあるの?俺がグローバルワークにしか行かないから知らないだけでセマンティックとかに行けばあるの?


俺は渋谷まで足を運ぶっていうのがなかなかなかった。当時は遊びに出るとしても池袋、よくてせいぜい新宿くらいだった。

だって渋谷怖いし。(本音)

でも、頼りにしてくれてるなら行くしかないじゃないか。

109(レディース館)

渋谷で服を買うと言ったら109だろう。

グーグルマップを開くまでもなかった。なぜなら改札を出れば109がすぐ見えたから。

自動ドアをくぐるとやたらとキャピキャピしているお店が並んでいた。

下のフロアは女性で、上のフロアが男性なのかな。そう思って館内地図を見た。

おかしい、何かがおかしい。

上の階から下の階まできっちりレディースだった。

もしかして109ってレディースしかないんじゃないか?そんな考えが頭をよぎる。

だとしたら電車乗り換えのとき男2人で「109が〜〜」ってしゃべってたの、メチャクチャ怪訝な目で見られてたに違いない。

別の場所を探さなければ…。従弟はこの日のためにバイトを頑張って貯金して新潟からはるばるやってきたらしい。

その結末が「レディースの洋服見て帰ってきた

では悲しすぎる。

別のでっかいショッピングモール的なのを探そう。そう決意してグーグルマップを開いた。

すぐ近くにメンズ館あった。

こんな風に一人で勝手にはしゃぐ俺をよそに、従弟は従弟で「ここが109かぁ」とでも言わんばかりにあたりを見回しながらズンズン先に進んでいく。

怖いもの知らずかよ。

109(メンズ館)

従弟のお目当てのお店に入ると早速「お兄さん!」とギャル男に声をかけられた。

入店わずか2秒である。先手必勝が過ぎる。

従弟は可愛いギャルのおねーさんに接客されてた。俺もそっちが良かった。

俺はギャル男の口車にまんまと乗せられ、1枚のジャケットをあれよあれよという間に試着をさせられていた。

「お兄さん青似合うなんて珍しいっすねえ!」
「これあと一着なんすよ!」
「ジャケット1着あったら便利っすよ!」
「僕、白持ってるんですよ。お兄さん買ってくれたらおソロっすね☆」

そ、そう?これ俺似合ってる?(まんざらでもない)

こうして俺は2万近い、しかも真っ青のジャケットを買わされた。

従弟は結局そのお店では何も買わなかった。なんなんだよ。