大学時代の友だちから連絡が来た。
名前が似てるので今回はATSUSHIと呼ぶことにする。
ATSUSHI「三郷行くから付き合ってほしい」
どうやら車のパーツを買いに三郷まで行くからついでにドライブどう?というお誘いだった。
断る理由は特になかったので二つ返事で「行く」と返した。
ATSUSHI「そういうことで行きたいとこ何処か探しといて」
調べてみるとまあ見事に何も無ぇ。
いや、冗談じゃなくてマジで何も無いよ?
トーマス博物館みたいなのはあったけど男2人、ましてやATSUSHIみたいなナリのやつと行くところじゃない。
ATSUSHI「じゃ、よろしく」
いや、ちょっ、待てって、だからトーマスしかないんだって、おい
おい!!!!!!!!
翌朝
やっべ、行きたいとこ何も調べてないよ。
まあ、男同士だしいっか。
集合場所に行くと既にATSUSHIがいて、タバコを吸っていた。
ATSUSHI「いやあ今日既に2回くらい事故りかけたわ笑」
こっっっっわ。
今から人乗せる人が言っちゃいけないセリフ第1位でしょ。
ATSUSHI「何か音楽かける?」
車に乗るとATUSHIが聞いてきた。
ATSUSHIはあんまり音楽を聴かない。
「強いて言えばヒルクライム」って言ってたし、散々考えて捻り出した結果ヒルクライム、ってことは多分マジで音楽聴かないんだろう。
ヒルクライムに対するアツい風評被害
無音の車内で話すよりは何か流れてた方がいいか、と思ってウォークマンを繋いで適当にランダム再生をかけた。
ATSUSHI「何流したの?」
俺「何でもいいからランダム再生にした」
『青春、禁止~~~~~~~~~~!』
Princess Party~青春禁止令~ full 高音質
俺「は?」
ATSUSHI「ん?」
1500曲近く入ってるのによりにもよって流れてきた
Princess Party ~青春禁止令~
エロゲの曲だ。一時期エロゲソングにハマっていたので俺のウォークマンには何曲かエロゲソングが入ってる。
エロゲソングって言うと偏見あると思うんだけど、一旦落ち着いてほしい。
おっぱいとかちんちんとか連呼してる曲ってマジであんまり無くて、切ない曲とかカッコいい曲とかもいっぱいあるんだから!!!!
お前が落ち着け
『はちゃめちゃおっぱい~~~!!!!』
まあ問題なのは今かかってるこの曲がおっぱいとか言う側のエロゲソングだってことなんですけど。
せめて言わない側のエロゲソング流れてくれよ。
俺「ごめんごめん変えるわ」
ATSUSHI「いや、いいよ」
ATSUSHIは真面目な顔で聴いていた。
やめろよ、この曲はそんな真面目な顔で聴く曲じゃないよ。
『めちゃくちゃおっぱい~~!!!!!』
ATSUSHI「…………」
誰か早く俺を〇してくれ。
この状況を打破すべくATSUSHIに話を振った。
俺「そういえば車、どこ改造してるの?」
ATSUSHIは車をいじるのが趣味で休みの日はいつもいじってるんだそうだ。
ATSUSHI「そこのスピーカーとかかな。テーブル付けてたけど車検通らないから外しちゃった。あ、あと……」
おもむろにATSUSHIはもぞもぞと動き出した。
なんか正面のライトが点いた。
俺「すげえ!!!!!!!!!」
感性が子供だから光るものと変形するものに心惹かれるんだよな。
ATSUSHI「しかも色変わるんだよ」
と、俺にリモコンを手渡してきた。
ピンクのボタンを押すとライトがピンクに変わった。
俺「すげえ!!!!!!!!!!!」
そうこうしてるうちにお目当ての場所に着いた。中古の車のパーツが売ってるショップだ。
タイヤとかよく分からないパーツがたくさんあった。
俺は1mmもテンション上がらなかった。
ATSUSHI「あったよ!!これこれ!!」
メチャクチャ嬉しそう。俺は1mmもテンション上がらなかった。
5分も経たずに退店し、今日の目的は終了してしまった。
マズい、この流れ、マジでトーマス博物館行くハメになるのでは……!?
ひとまずお昼を食べようということになって、背脂醤油ラーメンが美味しい、と言われてるお店に行った。
ATSUSHI「塩ラーメン」
俺「辛味噌ラーメン」
背脂醤油頼めよ。
ていうかこれ辛いもの好きな人の弊害だと思うんだけどメニューに辛いものがあると
「ここのお店のはどんだけの辛さなのかな」
ってお店のおススメそっちのけで絶対辛いやつ頼んじゃう。
え?なに?俺だけ?
昼飯を済ませて外に出ると激しい雷&雨。
ATSUSHI「今日は帰るか」
無事、トーマス博物館に行くことなく、家に帰った。