ぽぽすこ行進曲

精神年齢は高校生くらいで止まってます

マクドナルドでナゲットを注文したら4つしか入っていなかった

駅近のマクドナルドでベーコンレタスバーガーのセットとナゲット5個を注文している食いしん坊な男を見かけたらそれは俺の可能性が高い。
 
席に着き、スタバにいるかのごとく、ノートパソコンを勢いよく開く。
 
弘法、筆を選ばず。使用しているパソコンがどれだけポンコツであろうとも、使っている人間が優秀であれば優秀な働きをするものだ。
 
弘法、筆を選ばず。例えどんな場所であろうとも、優秀な人間は優秀な働きをするものだ。
実態はただしょうもないブログを書いているだけ。
 
しばらく景気よくキーボードを叩いていたが、はた、と文字を打つ手が止まる。次の文章が浮かんでこなくなった。冷める前に食べてしまおう。
 
ノートパソコンをしまい、ポテトに手を伸ばす。
数本食べたのち、スプライトを流し込む。
 
次はナゲットを食べよう、とナゲットの箱に手を伸ばす。
 
箱を開けるとナゲットが4つ
 
4つ?
 
箱を閉じて、再度開ける。
 
ナゲットは4つ
 
4つ?
 
ついに視力がイカれたか、と思い軽く目をこすって再度ナゲットに視線を移す。
 
4つ。
 
 
 
 
 
 
これは5個入りのナゲットが4個しか入っていなかった男の葛藤を描いた物語である。
 
 
 
 
 
 
ど、どうする?これはどうすればいいんだ!?!?
 
生まれてから25年、注文したナゲットが4つだったことが1度もないから焦りに焦った。
 
レシートをカバンの底から引っ張り出し、注文した時刻を確認する。既に15分以上経過している。
 
今更どんな顔引っさげて店員さんのもとへ行けというんだ。
 
 
 
 
 
「すいませ~~~ん!!ナゲット4つしか入ってないんですけど!!?」
 
 
 
 
 
と15分以上前にトレーを持っていった男がカチコミに来たら、店員さんはどう思うだろうか。
 
俺が店員さん側だったら「お前それ食べたよね?」って思う。
 
よしんば席に着いた直後に持ってこられてたとしても
 
こいつ、爆速で1個食べてないか…?
 
と疑ってしまうのに、15分以上も後に持って来られたら確実に「食べた」と疑ってかかるし『セコい食いしん坊』とレッテルを貼る。
 
更に状況を悪くしているのが、注文時に「飲み物は何になさいますか」と店員さんに聞かれた際に「ジンジャーエールで!」と声高らかに宣言してしまっていたのだ。
 
飲み物にジンジャーエールがあるのはケンタッキー。マクドナルドにはスプライトはあるがジンジャーエールは無いのだ。
 
そう、この時点で俺は既に店員さんに『ケンタッキーとマクドナルドの区別もつかないおバカ』と認識されてしまっていた。
 
このまま無策で行っても「4と5も数えられないほどのおバカかよ」と門前払いされて終わりだ。
 
前も後ろもドン詰まりのこの状況だが……
 
……このゲームには必勝法がある。
 
俺は確かにナゲットを注文した。そしてそれを自分の席に持っていき、お前はそれを黙って見送った。
 
 
俺が張った罠だとも知らずになァ。
 
 

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これはライアーゲーム、お前の負けだ。
 
 
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違うのよ。
 
 
 
 
 
これはライアーゲームじゃないのよ。
 
俺がやりたいのはシンプルに食事なのよ。
 
こんな盛り上がりに欠けるゲームがあってたまるか。
 
だから質の悪いモノマネをしている場合じゃないの。
 
刻一刻と状況は悪くなっているの。
 

ただ、何か策を講じないと、下手したら威力業務妨害とかで通報されかねないのも事実。

どうしよう、目の前で吐けばいい?
 
俺「店員さん!ナゲットが4つしか入ってなくて!ホントです!俺食べてないです!今から証拠見せるんで!!オロロロロロロロロロ!」
店員さん「……」
俺「ね?」

ね?じゃないのよ。

ダメだ、これこそ威力業務妨害で捕まる。


ていうか、そもそもの話、ナゲットって数え間違えることあるのか……?
10から11に増えたなら分かるよ。両手で数えきれないもん。9から10も分かる。桁が一つ増えるもん。
 
5から4だぜ。片手で終わるんだぜ、しかも減ってるし。もしかして数字という概念に触れ始めたばかりの3歳児?
 
レジ向こうで作業をしている店員さんを見る。
 
学生さんらしき人が多い。どういうオペレーションで箱にナゲットをブチ込んでいるかは分からないけれど、数学の授業とかで身近に数字に触れてる分、間違いなく俺よりも数字に強いはずだ。もし人力でやっているのであれば彼らが間違うというのは考えにくい。
 
とすれば、自ずと状況が見えてくる。
 
事故ではなく故意で…?上からの指示……?まさか、店長からのメッセージか!?

 

 

……

 

俺「店長。ナゲット、奪りに来たぜ」

店長「ぽぽすこ君、君なら辿りつくと思っていたよ」

俺「御託はいい。最後の1個はどこにあるんだ…?ここか?」

 

俺は店長のシャツのボタンの隙間からやや強引に手を入れる。

 

店長「せっかちだね…アッ!ぽぽすこ君、それは僕の乳く

 

 

 

 

 

オロロロロロロロロロロロロロ!!

 

 

 

 

 

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俺をオモチャにするな。
 
 
 
 
 
 結局ナゲットが4つしか入ってなかったことは言えなかった。