ぽぽすこ行進曲

精神年齢は高校生くらいで止まってます

俺が親知らずを抜くまで 【その1 知覚過敏を治そう】

季節は大学4年の3月頭。卒業まであと何日もない夜に――

 

――悲劇は起こる。

 

悲鳴

 

俺「キャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

歯を磨いて、うがいをしようとした時だった。

 

うがいできないほどの歯の痛みが俺を襲った。

 

ズキズキというかジンジンというか。

 

気のせいかもと思って(アホ)、もう一度うがいをしてみた。

 

「やっぱ痛いわバカか!!!!!?」

 

もしかして虫歯か?

 

そう思える心当たりがあった。このところの俺はお菓子を食べながらネッ友&リア友とモンハンをする毎日だった。

 

 しかし鏡で見ても虫歯らしきものは見当たらない。歯医者に連絡しようにも、時間は深夜だったからできなかった。

 

俺はすぐさまスマホを取り出し、対処法を調べた。

 

すると『うがいをするときはお湯でやるとしみない』という、その場しのぎの鑑みたいな対処法が出てきた。

 

早速やってみると、なるほどしみない。どうやら冷たいものが触れなければ痛みはないらしい。

 

そうしてその日は布団に潜りこむと、すぐに睡魔が襲ってきた。

 

歯医者、それは楽園

 

朝起きて歯医者に電話をすると、ちょうどキャンセル枠ができたらしくお昼の時間に予約が取れた。

 

朝食を取るついでに何がしみるのか確認をした。

 

食パン(トースト)…しみない

牛乳(冷)…しみる

ヨーグルト(冷)…しみる

 

やっぱ冷たいものがダメみたい。

 

朝食を済ませ、モンハンをやっているとあっという間に歯医者の時間がやってきた。 

 

身が引き裂かれる思いでパーティーメンバーに「歯医者行くから落ちる」と、別れを告げたところ、心無いヤジが飛んできた。

 

「だからバオウルムーで2回死ぬんだよな

「虫歯とか雑魚」

「ちゃんとママに仕上げしてもらえよ」

 

はぁ?お前ら全員虫歯なれよマジで。

 

 
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バオウルムー。

 

歩くこと数分で歯医者に着いた。 自動ドアを通ると綺麗なおねーさんが出迎えてくれた。

 

俺「初めてなんすけど」

おねーさん「ではこちらを記入してお待ちください」

 

何かちょっとそういうお店みたいだな。

 

しばらくすると名前を呼ばれ、目の前の部屋に入った。そこには受付の人とは別のおねーさんが待ち構えていた。その人は綺麗というよりは、低身長ということもあって可愛い系だった。

 

椅子に座らされたかと思うと、おねーさんが後ろから手を回してくる。(エプロンを付けただけ)

 

そして俺の手元に水を置いた。あー、完全に理解した。これでうがいして口内キレイにしたら始まるのね。

 

おねーさん「風当てるんで痛かったら言ってくださいね!」

 

俺「はい」

 

椅子が倒され、俺とおねーさんのファーストコンタクトが始まった。

 

おねーさんは背が低いので身を乗り出し気味で俺の歯に風を当てていく。

 

 

正直言って治療どころではなかった。

 

 

おねーさんが身を乗り出すせいで俺の頭におっぱいが当たっていたのだ。

 

うーん、Eカップ。(最低)

 

 本来の目的をギリギリのところで忘れなかった俺「あ、右上が痛いっす」

 

おねーさん「うーん。虫歯ありますけど、しみてるのは多分知覚過敏のせいですね」

 

半分以上話が入ってきてない俺「なるほど」

 

 

 おばあちゃん襲来

 

 

初めて、ということでレントゲンも撮ることになった。

 

別室に移ると今度はおばあちゃんがいた。

 

うーん、チェンジで。(そういうお店ではない)

 

おばあちゃん「肩幅広いですね~」

 

そう言いながら鎖帷子(くさりかたびら)みたいなのを羽織らせてきた。それから機械の上にアゴを乗せろと言ってきた。

 

俺「それほんとよく言われるんですよ~笑」

 

おばあちゃん「もしかしたらこの機械、肩に当たっちゃうかもしれませんね笑」

 

俺「あはは、まさか」

 

なんて他愛ない会話を繰り広げているとおばあちゃんはレントゲンの機械のスイッチを入れた。

 

おばあちゃん「ではそのままでお待ちください」

 

ゴゥゥン……ゴウゥンと何やら物々しい音を鳴らしてレントゲンの機械は俺の頭の周りをグルグル回っていく。 

 

ゴンッ

 

 

ゴンッ

 

 

右と左の肩に一回ずつ機械が直撃した。

 

おばあちゃん「ンッフ」

 

笑ってんなよ!?

 

本日の治療、秒で終了

 

再びおねーさんの元へ舞い戻ってきた。オアシス。

 

おねーさん「じゃあ知覚過敏の治療パパっとやっちゃいますね」

 

俺は固唾を飲んだ。削られるのだろうか、えぐられるのだろうか、それとも何か麻酔の類でも打ち込むのだろうか。

 

そんなことを考えながら口を開けて、裁きの時を待った。

 

おねーさんが取り出したのは注射器のようなもの。あー麻酔かー!!!痛そうだなぁ嫌だな怖いなぁ。

 

おねーさん「はいじゃあ今日はこれで終わりです。で、これレントゲンなんですけど」

 

俺「えっ、あ、はい」

 

本当に一瞬だった。注射器だと思った物はどうやら薬を塗るための道具だったらしい。紛らわしいんだよな本当。

 

レントゲンを見ると、俺の顔の骨格と歯が映し出されていた。

 

俺「いい骨格ですね」

 

おねーさん「奥歯を見てください」

 

俺の渾身のボケをスルーするおねーさん。言うとおりに奥歯、親知らずを見てみる。

 

 

 

 

 や

  め

   っ

    ち

     ゃ

      斜

       め

 

何お前そんな生え方してたの?ってくらい斜めに生えてた。

 

中学時代の俺か?ってくらい斜に構えてた。あの頃は斜に構えてるのがかっこいいと思ってたまである。

 

歯なんだからよ、まっすぐ生えてこいよな。歯として恥ずかしくないわけ?マジで。

 

おねーさん「抜いた方がいいですね」

 

俺「じゃあ抜きます(即答)」

 

ここでうじうじしてたらおねーさんに情けない男と思われてしまう。(突然の男らしさアピール)

 

でも恐怖で声ガンガン震えてた。なんなら半分くらい涙目だった。(男らしさアピール失敗)

 

おねーさん「とりあえず次から虫歯治していきます」

 

俺「お願いします」

 

こうして俺は痛み止めをもらい、歯医者を後にした。

 

この治療のおかげで今はもうお湯でうがいしなくても平気になっている。

 

なんとぬるま湯でうがいできるようになったのだ。

 

 

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