ぽぽすこ行進曲

精神年齢は高校生くらいで止まってます

君は今まで破られたパンツの数を覚えているか

 

学生の頃の忘れられない思い出ってたくさんあると思う。

 
小学生の頃の初恋だとか
 
中学生の頃……中学生の……中……
 
やっべ。中学、大して思い出ねえな……。
 
そして高校生の頃、パンツを破られたこととか――
 
 

あるあるだよな

 

よくあるよなー、分かる分かる。高校生と言えばパンツ破られて1人前みたいなところあるよなー。
 
 
……
 
いや、ねーよ!?
 
あー、よく破られたパンツの枚数でマウント取り合ってたわー。「お前通算何枚?ん、俺?今日で3枚目☆」みたいな。
 
 
……
 
いや、だからねーよ!???
 
俺以外の男子、パンツ破られた枚数0だからな!?(それが普通)
 
え、てかなんで俺のパンツだけ狙われるワケ?なんで俺のパンツが破られたことをキッカケにパンツ破りが流行らなかったワケ?まあ流行ったらそれはそれで怖いけどさあ……。
 

1枚目

 
――その日は、うだるような日差しが降り注ぐ昼下がり。
 
体育の授業が終わり、着替えの最中だった。
 
俺は顔にはあまり汗をかかずに尻にたくさん汗をかくタイプなので、夏場は体育の授業が終わると汗でパンツがビショビショだった。
 
だから俺は体育があるときは替えのパンツを持ってきて、ベランダで着替えていたんだけど、いつからか俺の着替えを妨害する遊びが流行った。
 
男子は教室で、女子は更衣室で着替えを行っているのであまりにも遅いと女子が入ってきてしまう。
 
それまでにパンツの替えが終わらなければ女子の皆様に俺の粗末なものをお見せしてしまう羽目になる。
 
いや、別に俺は見られても構わないんだけどね?(問題発言)
見られても構わないからって見せていい理由にはなんねーよな?
 
話を戻すんだけど、ベランダじゃあダメだってことで、妨害されないようにトイレの個室まで行ってパンツを替えるようになった。
 
そしていつものようにトイレから教室に戻ってドアを開けたときに悲劇は起きた。
 
「どーーーーーーん!」
 
友だちのI君だった。掛け声とともに俺の体操着のズボンをパンツごと思いっきりずり降ろしてきたのだ。
 
俺「クソがぁぁぁぁっ!!!!」
 
それに恐るべき反射神経で対抗し、俺は思いっきりズボンを上げた。
 
上げる俺、下げるI君。
 
パンツが破れた。
 
しかし悲劇はこれだけでは終わらなかった。
 
女子の第一陣が戻ってき始めたのだ。そこにはちょうど俺の隣の席の子もいて、目が合った。
 
「うわキッツ……」
 
彼女は小声ながらもハッキリとそう言った。
 
俺は心の中で泣いた。
 

2枚目

 
バドミントンのネットを張ってる最中だった。
 
背後にただならぬ気配、殺気を感じたのだ。
 
あ、殺られる。そう思ったときにはズボンに手が掛けられていた。
 
振り向くとそこにいたのはI君ではなく、K君だった。
 
余談だが、このK君と俺はとことん好きなキャラの趣味が合わない。
 
K君はほむらが好きだけど、俺はさやかが好き。
 

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K君は生徒会長が好きだけど、俺はあーみんが好き。
 

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あれ、もしかして俺はキタエリが好きなだけでは……。
 
閑話休題。(最近使いこなせてきた)
 
持ち前の反射神経でK君が下げる前に俺は即座にズボンを掴んで上げた。
 
対するK君は、ズボンを下げるのではなく上げてきた
 
俺が上げることを見越して、下げるのではなくあえて上げるという選択をした。彼は策士だ。現代に蘇った孔明だ。
 
 
パンツは破れた。
 
 
俺とK君の初めての共同作業だ。
 
その日の体育を俺はズボンの下は半ケツ丸出しで受けた。
 
俺は心の中で泣いた。
 

3枚目

 
跳び箱の授業中だった。
 
順番待ちをしてる俺の背後にある人物が来た。
 
そう、I君だ。余談だが、当時のI君の好きだったゲームはアサシンクリードだ。
 
ギリギリまで気配を消し、素早い飛びかかりで獲物である俺のパンツに食らいついた。その姿はまさに、現代に蘇ったアサシン。
 
なに、アサシンクリードって気配の消し方とか教えてくれんの?
 
持ち前の反射神経の良さで俺はズボンを抑えた。思いっきり上げたら破れてしまう。それでは前回と前々回の二の舞いだ。
 
だから咄嗟の判断で抑えるにとどめたんだ。俺は戦いの中で自らの成長を感じていた。
 
しかしこのままではジリ貧になってしまう。俺とI君に力の差はほとんどないけど、I君には強力な味方がいた。
 
万物は下に引っ張られる、世界はそういうふうに出来ている。そう、重力だ。彼は重力を味方に付けていた。
 
自然の摂理までもが俺のパンツに牙を向いたのである。
 
力では勝ち目がない。そこで俺はI君の心に訴えることにした。
 
俺「ダメぇ!!インコなの!!今日はインコなのぉ!!!!!」
 
その日俺が履いていたのは、デフォルメされた可愛いインコがたくさん描かれたパンツ。
 

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※イメージ画像
 
お前はその可愛いインコを破るのかと、I君の心を揺さぶると同時に、周りの皆にインコを破るのは可哀想だ、と同情を誘ってI君を止めてもらう作戦だ。
 
お前が重力を味方につけるなら、俺はクラスの男子を味方につけるッッ!
 
だが、俺の魂の叫びを聞いた周りの反応は想像の遥か斜め上を行くものだった。
 
 
 
「え、インポ……?」
「うそ……インポ?」
「可哀想に……」
 
 
 
インコだっつーーーーーーーーの!!!
 
 
パンツは破れた。
 
 
悲劇はそれだけでは終わらなかった。
 
「そこ!何してる!!」
 
それだけ盛大に騒いだんだ、当然先生は何事かと見に来る。
 
しかもこの先生、授業中にふざけるとすぐ罰としてスクワット30回を課してくる先生として俺の中で有名だった。
 
そんな先生が見つめる先には、絡み合う二人の男子。しかも一方はズボンを脱がされかけている。
 
一部始終を知らない人からすれば、濡れ場が始まる5秒前の光景に見えたことだろう。
 
授業が終わると俺とI君は居残りさせられた。
 
ネコとタチ。攻めと受け。破る者と破られる者。俺たちの関係は一体なんなのだろう。親友だと思ってた男にいきなり襲われて困惑しているBL小説の主人公みたいなことを考えていると先生が口を開いた。
 
先生「何してた」
 
I君「いや、なんて言うか……」
 
俺「なんて言うかなんすよね……」
 
何故か俺までうやむやにしようとしていた。
 
先生「言えないようなことなのか……?
 
もう先生は完全にアカン方向に勘違いしようとしてたのでI君とアイコンタクトをした。「ふざけてました」と言おう。深くうなずくI君。
 
パンツは破れたけど俺たち2人の絆はより固く結ばれたような気がした。
 
 
なーんて言うと思ったかばーーか!自分の身が大事に決まってるだろ!そもそもこいつは俺のインコを破ったんだ。同情の余地なんかないわ!!1人で一生スクワットやるこったな!!!
 
俺「I君が俺のパンツ破こうとしてました!!」
I君「ぽぽすこ君が腰パンしてたので治そうとしてました!!」
 
こいつ平気で嘘つきやがった!!
 
先生「……二人ともスクワット用意」
 
俺は心の中で泣いた
 

愛ゆえに

 
 
決していじめられていたわけではない。なんだかんだ皆俺のことが大好きだったのだ。
 
大好き過ぎて、気持ちが抑えられなくなって。たまにいるでしょ。アイドルの握手会とかで過ぎた行為をする人。それと同じで俺が好き過ぎてパンツを破るという行為に至ったんだと思う。
 
 
 
過ぎた行為が許されるとは言わないけど、これは高校生のよくあるバカ騒ぎ。
 
今こうして笑い話にできているなら、破られたパンツも報われることだろう。
 
 
 
 
 
 
何て言うと思ったかばーーーーーか!!!返せパンツ!!3枚目に破られたやつお気に入りだったんだぞ!!!!!